• 再診・新患予約・お問い合わせ
  • 0112067663
  • 平日9:00~12:00
  • 新患予約・お問い合わせ
  • 0112067688
  • 平日13:00~17:00

海外活動報告

海外活動報告

リトル・マーメイド2011(2011年5月31日~6月6日)

今回の海外出張は、ヨーロッパ整形外科学会での口演とフランスの病院見学が目的でした。それでは時系列で記しましょう。
2011年5月31日(火)ANA機で千歳、成田からパリ(シャルルドゴール空港)に着き、エールフランスに乗り継ぎフランス第2(または第3)の都市リヨンへ到着しました。
翌6月1日、Clinique Saint Charkes病院(60ベッド、http://www.cliniquesaintcharles.fr/)に行き、Dr Jean Christophe Durandの人工股関節手術に立ち会いました。
  • 写真1

  • 写真2

彼は年間300件の手術を自慢していたのですが、わたしが500件以上行っていることを話すと驚いていました。
今までわたしが会った医師のなかで手術件数が最も多いのが英国の医師Allwoodで年間700件以上でしたが、これはチームで行っていたからです。
Dr. Durandの傷口は12cm程度でMISは行っていません。
手術は1時間45分間程度でした。手術は手早くというより時間をかけて行う慎重派で参考にするべき点もありました。
次に行ったのがClinique Du Parc(150ベッド、http://www.cliniqueduparclyon.com)で、ここの待合室と中庭をみると色使いなど日本の病院とは違いを感じます。
  • 写真3

  • 写真4

ここではDr. Olivier Rayが案内してくれました。
  • 写真5

  • 写真6

Dr. Rayは日本にも来たことがあり、後日送られてきたメールには「Ishibe sensei」とありました。彼の父も整形外科医で写真6は父親がデザインした人工股関節のレントゲン写真です。
写真7は向かって左からわたし、Dr. Ray、Dr. Durandです。両病院とも民間病院で手術料は執刀医が決めています。

写真7

写真8

整形外科における日仏の交流は深く、わたしは属していませんが日仏整形外科学会があり毎年日本で開催されています。
フランスの人工股関節でdual mobility cupというカップがあり、脱臼が少なく再置換の際に有効と考えられていますが、残念ながら我が国には導入されておりません。
6月2日、TGVでシャルルドゴール空港に行き、エールフランスでコペンハーゲンに向かいました。学会場はホテルと隣接し大きさを感じました。

写真9

写真10

おもに股関節関係の発表を聞いたのですが、英国、アイルランドなど一部の国を除けばネイティブではない人が英語でコミュニケーションをとりますから、いろいろな発音、語法の英語がありました。
発表中数字を英語で言えなくなって笑いながらフランス語で言ったフランス人医師もいました。それでも通じ合えるのはお互い基本的知識を共有しているからでしょう。
6月4日にMIS後の脱臼について発表し、2042例中脱臼したものは13例(0.6%)と非常に少ないことを報告しました。
非ネイティブの英語に大分慣れていましたから、症例が多くてあなたは忙しいですねというデンマーク人座長(司会者)の問いには、very busyと笑いながら言っていました。
発表後すぐにパリに向かい翌日に帰国便に搭乗しました。来年の開催地はベルリンです。
余話として
コペンハーゲンはデンマークの首都であり、北欧デザインの中心の一つです。わたしの診察室で使用しているワイチェアのデザイナー、ハンス・ウエグナーはデンマーク人ですし、ホテルの部屋はシンプルで、床から天井までの窓からは風力発電や現代的デザインの建物を見ることができました。
  • 写真11

  • 写真12

  • 写真13

そして、デンマークといえばアンデルセンの国。幼い頃彼の童話を読んだ日本人は多いはずです。
「マッチ売りの少女」「赤い靴」「裸の王様」「みにくいアヒルの子」などなど、イソップやグリムより数多くわたしは読んだかもしれません。
観光の時間はなかったのですが、彼の代表作「人魚姫(英語でリトル・マーメイド)」の像だけは見ないわけにはいけません。
もっとも日本人観光客にとって世界三大がっかり(ほかにシンガポールのマーライオン像、ブリュッセルの小便小僧)の一つですが、それでも多くの観光客が行くのは幼い頃の記憶がそうさせるのでしょう。
アンデルセンの童話は悲しい物語ですが、それをディズニーは明るいアニメにリメイクしました。
詳しい地図を持っていなかったのですが、だいたいの地域を確認し最寄りの地下鉄駅から海(運河)に向かって歩きますと観光バスが何台も停まっている場所がありました。そちらに近づくと沢山の人がいて人魚姫の隣に立って写真を撮ろうとしていました。待っている時間はありませんので遠景で撮影しました。

写真14

写真15

小さくて(1m25cm)がっかりする人も多いそうですが、リトル・マーメイドですから5mあったら興醒めです。屋台で売っていた最も小さい5ユーロの人魚姫像がわたし自身への唯一のお土産になりました。